公開講座 「胡麻油」の和食力⑶

おにぎり。胡麻油こそ新「三種の神器」だ!

上質な胡麻油が引き出す、冷めてこそ堪能できるお米の味わい。

教える人・荻野聡士「赤坂おぎ乃」主人
撮影・伊藤高明

おにぎりは、ご飯を掌で握る日本を代表する米料理。今や世界食にもなっている。パリ、ニューヨーク、香港で行列ができるというニュースを目にするようになった。その美味しさの可能性を、さらに切り拓くのが上質な胡麻油だ。かつて「おにぎりの三種の神器」といえば、ご飯、具材、海苔だった。近年のおにぎりは海苔が主流ではなくなり、それに代わるのが上質な胡麻油なのだ。それはなぜか? 「赤坂おぎ乃」の荻野聡士さんが解説する。

太白胡麻油がおにぎりを変える

「ご飯を炊く際にマルホン太白胡麻油を加えると、ご飯の甘味が増し、しっとりとした食感に炊き上がります。時間が経っても硬くなりにくく、冷めてから味がのってきます。日本の米料理の代表であるおにぎりを、太白胡麻油がもっと美味しくします」と荻野聡士さん。
油の「食味」と「乾燥耐性」に着目すると、炊き立てでは気づきにくかった、冷めたご飯ならではの旨さがわかるというのだ。油脂の味が大好きなのは世界共通。しかも、太白胡麻油は、油特有のベタっとしたところがない。だから、この油がもつきれいな旨味だけを米に足すことができる。しかも、炊き立てではわかりにくい、冷めたご飯がもつ美味しさがよくわかる。これがマルホン太白胡麻油の力だ。

「コツは、研いで水切りをした米に太白胡麻油を混ぜ合わせてから炊くこと。米に油を均等にコーティングすることができ、炊き上がったご飯に油を感じさせません」と荻野聡士さん。お米3合に太白胡麻油15㎖が目安だ。このように炊いたご飯は、冷凍後のレンジアップも美味しい、冷蔵耐性も高いことが特徴だ。
荻野聡士さんは、このご飯で昆布の佃煮のおにぎりを作ってくれた。自家製の昆布の佃煮に煎り胡麻をふったもの。炊き上がりはご飯がキラキラと輝いている。冷めるほどに旨味がのり、長時間経っても驚くほどしっとりしている。ご飯の自然な美味しさが素晴らしい。

太香胡麻油が、炊き込みご飯を至福の風味にする

次は、五目ご飯のおにぎりだ。五目ご飯は、荻野聡士さんが子供のときから大好きというもの。上品で香りの良いマルホン太香胡麻油で具材を炒めて、この油と具材を出汁とともに炊き込む。
「五目ご飯は、干し椎茸、ごぼうなどの具材。醤油、みりん、胡麻油などの調味料。そして出汁と米。日本料理のいいところがすべて詰まっています。上質な胡麻油を効かせれば、より風味がよく、しかも冷めても美味しい。おにぎりに最高です」。

五目ご飯に使う具材は、ささがきにしたごぼう、戻してスライスした干し椎茸、切ったこんにゃく、千切りにしたにんじん、細かく切ったいんげん、そして小さく切り揃えた鶏肉だ。

美味しい作り方は次の通り。「太香胡麻油で炒めたごぼうと干し椎茸は最初から炊き込んでご飯に旨味をのせます。太香胡麻油で焼き目をつけた鶏肉は、最初からは入れずに、炊いている途中で加えて肉そのものの味も楽しめるようにします。にんじんといんげんは、炊き上がり直前に加えて彩りよく仕上げます。それぞれの具材に太香胡麻油の旨味を加えてあるから、素材を生かした炊き方ができのです」と荻野聡士さんは語ります。

究極の「胡麻油おにぎり」は、ご飯に太香胡麻油を混ぜるだけ

もう一つのおにぎりは、炊きたてのご飯にマルホン太香胡麻油を混ぜただけの塩むすび。
「これこそ、冷めてから真価を発揮します」と荻野聡士さん。胡麻油と塩を纏った米が実に甘い。香りが心地いい。

ご飯2合分に太香胡麻油15㎖が目安。太香胡麻油の風味の良さで楽しませる、シンプルおにぎりの極み。胡麻油と塩の相性の良さも生きる。胡麻油の力に脱帽である。

結び。おにぎりの三種の神器

以上、3つのおにぎりを、握ってから7時間後に食べてみた。
しっとりとしている。これは驚異的だ。噛みすすめると、お米の旨味が豊かに広がる。シンプルに、お米3合に太白胡麻油15㎖を加えて炊いたご飯のおにぎりが、一番よくわかる。
「油の食味と乾燥耐性に着目すると、炊き立てでは気づきにくかった、冷めたご飯ならではの旨さがわかる」。まさに、これである。上質な胡麻油こそ、おにぎりの新しい三種の神器である、と言える所以である。

【公開講座3回を終えて】

以上のように日本料理における胡麻油の生かし方をみてきますと、胡麻油は単なる調味料ではなく、日本料理の可能性を広げる力を秘めていることがわかります。「素材のもつ個性を引き出し、繊細な味わいに奥行きを与える一滴」と言えます。ぜひ皆様方も、その選び方と使い方を探求し、自らの感性で新しい味わいを創り出していただきたいと思います。
銀座小十 奥田透